2021/12/03

葦守八幡神社(岡山市)

 

日本最古の鳥居

一般的に日本最古とされる鳥居は、

山形県山形市の「元木の石鳥居」で、

平安時代の建立とも言われ、

国指定重要文化財となっています。

ただ、この鳥居には

正確な年代などの刻印は確認出来ず、

「最古」はあくまでも推測の範囲内です。

そんな「推定最古級」ではなく、

「確定最古級」という鳥居を見つけたのが、

岡山の旅をする数日前のこと。

備中高松城から備中松山城へ行くルート上に

「葦原八幡神社」という神社を発見し、

その鳥居が「年代確実な日本最古級」と

書かれていたのです。

こんなラッキーな話が舞い込むなんて、

もう行くしかありません(笑)

こんな経緯で、予定していた

備中国分寺をカットし、

葦守八幡神社の鳥居を見に行く事に。

八幡神社鳥居

日本最古級の鳥居は、

参道の入り口にある一の鳥居で、

御社殿からは500m近く

離れた場所に建っています。

なので、境内の駐車場に車を停めて、

ひたすら参道を逆行し、

一の鳥居に戻り、見学し、

またもや参道を歩いて参拝するという

かなりの運動量が必要でな行程です(笑)

鳥居横の案内。

「向かって右側の柱の内側に

「康安元年丑辛

十月二日願主神主賀陽重人、

大工沙弥妙阿、祝主僧頼澄」の

刻印があり1361年(南北朝時代)の

造立と判明している。

大工の「妙阿」は、この鳥居より

十五年前に建立された鼓神社宝塔

(国指定重要文化財 上高田所在)の

石大工と同一人物であり注目される。」

このように書かれています。

文中の丑辛は、

辛丑(かのとうし)の事でしょう。

このブログを書いている

令和三年(2021年)も「辛丑」。

偶然ですが、

60年に一回しか来ない辛丑年に

この鳥居のお話を書けるとは、

やはり相当なご縁があったに

違いありません。

道路の向かいから。

正面。

両部鳥居の特徴がよくわかります。

神額。

斜め横から。

以前、熊本県人吉市の

岩屋熊野座神社で見た、

国指定重要文化財の石製両部鳥居と

少し似ていますが、

そちらは元禄十四年(1701年)の

建立ですから、それよりもはるかに古く

650年近く昔から

災害や戦災をくぐり抜けてきたこの鳥居は、

まさに「幸運の鳥居」でもありますね。

再び参道を歩き御社殿へ。

二の鳥居。

随神門

一の鳥居までの往復で、

カロリーを消費した僕たちは、

石段で、さらにカロリーを消費します(笑)

ここからまずは随神門へ。

随神門と手水舎。

いつ頃の建立かはわかりませんが、

なかなか渋い随神門です。

石垣と石段は江戸時代のものかな?

境内に入ってすぐ右にあるのが、

「代々木下藩主

参拝御駕籠置場」です。

この石の上に藩主を乗せた

駕籠を置いたのでしょう。

それにしても

こんな石が残っているのは珍しいですね。

ちなみに木下藩主とは、

豊臣秀吉の妻、北政所(ねね)の兄、

木下家定の次男利房の系統で、

一時期断絶はあったものの

足守藩木下家として、明治まで続いています。

ちなみに木下家定の三男、延俊も、

日出藩主(大分県)となり

子孫は明治まで続いています。

拝殿。

由緒。

拝殿、幣殿は慶応二年、

本殿は明治二年の再建と

ともに古いものです。

もう一つの由緒。

参拝。

神紋は五七の桐と

菊紋のミックス。

江戸時代においても

豊臣姓を許されていた証でしょう。

本殿。

この神社の特徴は

社務所らしき建物と

拝殿を繋ぐ「廻廊」です。

空中を歩く構造は、

なかなか風情があって、

見応え十分な廻廊ですね。

廻廊下にある案内。

境内社

次に境内社へ。

合祀の経緯がこれだけ

詳しくかかれた神社は

あまり類を見ないものです。

宮司さんの優しさが伝わってきますね。

五社宮のうちの一社。

どれが、どの神様なのか、

わかりません。

二社目。

三社目。

四社目。

五社目。

ここだけは、池と石橋まである

豪華な造りとなっています。

これにて境内社参拝は完了。

こちらは神輿庫。

鐘楼

ここには神仏習合の名残もあります。

鐘楼。

撞木(しゅもく)は何故か桜の木を

使っているところが多いのです。

もちろん、ここも桜でした。

最後にツーショットで参拝完了。

今日のライオン

随神門向かって左手の

石垣下で見つけたライオン。

等身大の雄ライオン。

何故ここにあるのかは

不思議ですが、

寄進者の思いが、

ライオンに詰まっているのかな?

 

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