鎌倉大仏殿高徳院(鎌倉市)

 

親近感が湧くご本尊

お寺のご本尊と言えば、

本堂の中に大切に安置されていて、

外から見る事は出来ません。

ましてや、国宝ともなれば、

一年に一回、

ともすれば十年に一回などの

御開帳の時だけのお目見えとなります。

ところが、

鎌倉大仏と呼ばれる

高徳院のご本尊、阿弥陀如来坐像は、

雨の日も、風の日も、

熱い日も、微動だにせず(笑)

700年以上もの年月を

ひたすら野外に坐し、

いつでもその御尊顔を拝む事が出来る

実に稀有な御本尊なのです。

国宝なのに、いつでも気軽に会える

良い意味で庶民的な大仏様に、

親近感が湧いてしまいます(笑)

参道

江ノ電、長谷駅で下車し、

生しらす丼でお腹を満たした後、

少し歩くと、大仏のあるお寺、

高徳院の入口が見えてきます。

さすが、人気スポットだけあって、

バス会社も2社が運行。

高徳院境内図。

これを見ると、

大仏様が中心に配置され、

境内自体が「野外の本堂」と

言った感じです。

身障者用の駐車場も完備。

(事前予約制)

江戸時代、

享保元年(1716)建立の

「寺号標」。

聖武天皇が建てた国分寺の中の

関東三十三カ国の総国分寺という

意味でしょうか?

裏面には「南無阿弥陀佛」の文字。

仁王門。

仁王像(阿形)

仁王像(吽形)

「大異山」の扁額。

仁王門をくぐると正面の門には、

中国獅子が配置されています。

「私どもの宗旨」

内容を要約すると

以下になります。

「浄土宗

宗祖 法然上人

開宗 承安五年(1175)

ご本尊 阿彌陀佛」

券売所へ。

拝観料は大人300円。

拝観券の表裏。

寺紋は源氏の家紋である笹竜胆ささりんどう

裏面には大仏の建立などの

歴史が書かれていますので、

抜粋してみます。

「鎌倉大佛は、

1252(建長四)年から

十年前後の歳月をかけて

造立されたとみられる。」

「原型作者も含め、

創建に関わる事情の多くは、

謎に包まれている。

尊像を収めていた仏殿は

1334(建武元)年と

1369(応安二)年に

大風で損壊したらしい。

十五世紀以降、

同仏殿が再建された形跡は認められない。」

仏殿が無くなって、

野ざらしになっても

大仏さんは壊れもしないので、

そのまま放置していたら

いつの間にか

700年も経っていた・・・

そんな感じでしょうか(笑)

この、ゆる~い感じが、

鎌倉大仏の魅力を

さらに増してくれます!

手水舎。

人の途切れがなく、

ようやく「無人」にて撮影成功(笑)

手水鉢。

難しい漢文で、

ほぼ読めませんが、

「鎌倉大佛寺」

「寛延二己巳歳」

このように書かれているので、

寛延二年(1749)の寄進です。

手水鉢の裏側。

鎌倉大仏

手水を終えて、

奥に進むと、

いきなり巨大な大仏様が

見えてきます。

お~大仏様だ~(笑)

「國寶 鎌倉大佛」。

恐らく戦前に建てられたものだと思い、

裏側を見てみると・・・

偉いお坊様の「一周忌」にちなみ、

大正時代に建てられたものでした。

一周忌と「大仏」を絡めているのが、

なんか珍しいですね。

ここからは大仏さん三昧(笑)

妻は正面に置かれた「スイカ」に

大受けしていました(笑)

確かに存在感アリます!

お顔アップ。

左斜から。

妻と大きさの比較。

左横顔アップ。

こめかみの所に、

金箔の跡が残っています。

(当初は全身が

金箔で塗られていたそうです)

右後方から。

大仏の台座下に置かれた蓮弁。

お寺のサイトによると

「江戸中期に蓮台の

製作を企図して鋳造されました。

当初全32枚の製作が

予定されていた蓮弁のうち、

完成をみたのが同4枚に当たり、

表面には寄進者の名前が

刻まれています。」

このようになります。

完成に至らなかった理由は

分かりませんが、

それでも

この4枚を大切に残してくださった

お寺の方々のお気持ちが

有り難いものです。

「無くしたものを数えず、

今あるものを大切にする」

楽しく生きる「コツ」に似ていますね(笑)

背中。

なんか、梵鐘の形にも見え、

いっそうのご利益を感じてしまいます。

右斜から。

胎内拝観は、

コロナ禍の為、中止中。

ちょっと残念ですが、

やはりここも

「無くしたものを数えず、

今あるものを大切にする」

この精神で、

「あるもの」を見つけました!

大仏の背後に立つ笠塔婆。

「南無阿弥陀佛」

なかなか趣のある文字です。

横には、

「稲多野殿

建長五癸丑年

五月二十三日」

このように刻まれていますので、

西暦で言えば、

1252年です。

ネット調べでは、

稲多野殿さんが、

大仏建立を初願したとかで、

これはこの方の供養塔で、

刻まれているのは命日です。

これは、

凄いものを発見しました!

やはり、

「今あるものを大切に」ですね(笑)

スイカと・・・

いいえ、

大仏様と僕たちのスリーショットで、

大仏様拝観は完了です。

今日の日タイ友好

帰りがけに見た松の木。

美しく剪定されています。

読めない漢字(汗)

「皇帝陛下」と書かれているので、

偉い人のお手植えなのかと

案内を見ると・・・

昭和六年、シャム(現タイ王国)の

国王陛下のお手植えの松です。

第2次世界大戦の前、

東南アジアで唯一の独立国だった

シャム(タイ)と日本の友好の大切な証。

長生きしてくださいね、松さん!

 

  関連記事 - Related Posts -

 

  最新記事 - New Posts -

 

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください