西来院・築山御前の墓(浜松市)

 

現場主義

徳川家康の凄い所は、

死ぬまで「現場主義」だった事。

若い時の戦は当たり前でしょうが、

60歳近くだった関ケ原の戦い

74歳位になっていた

大阪の陣でも先頭に立って、

自らの旗印を立て、

部下を鼓舞していますから、

凄いとしか言いようがありません。

会社が大きくなって、

周囲には、自己保身ばかり考える

イエスマンだけになった社長さんが、

現場へ足を運ぶのも忘れ、

いつしか「裸の王様」になってしまうのとは、

えらい対照的です(笑)

しかし、

築山御前(瀬名姫)と

嫡男信康の死に関しては、

家康さんが現場主義ではなかった、

要するに意思疎通を

岡崎城にいる二人と直接、

頻繁にしなかったから起きてしまった

悲劇だった気がします。

ただ、「したくなかった」、

「やりたくても出来なかった」というのが

真実なのかも知れませんけどね。

西来院

浜松城の二度目の訪問や

二俣城などの散策が楽しく、

時間がめっちゃおしてしまい、

まだまだ巡りたい場所はあったものの

この西来院が浜松最後の

訪問地となりました。

「西来院」の案内。

後半部分を抜粋すると

「戦国乱世悲劇の女性

築山御前は天正七年(1579)

佐鳴湖畔におき

数奇な運命のもとに散華した。

三十八歳。

法名は清池院殿譚月秋天大禅定法尼。

戦災のために焼失した廟堂は

昭和五十三年の四百年忌に復元された。」

まずは、

お寺の入口付近のお地蔵様へ。

参拝。

ここから本堂を目指しますが、

残り時間が少ない僕たちは、

常に速歩きです(笑)

近代的な本堂。

恐らく戦災で焼失したので、

再建されたものなのでしょう・・・

なんか、カッコいいですね!

本堂内にて参拝。

築山御前の墓

本堂前の案内を確認。

西来院の内容が網羅されていますね!

全部読んでいたら、

時間がありませんから、

築山御前のお墓の部分のみを

クローズアップ(笑)

築山御前の死と

その後の事について、

詳しく案内されていますので、

書き出してみます。

「築山御前は徳川家康公正室であることは

世間周知のとおりである。

が、その三十八才の生涯については、

何はともあれ四百年前のことであるから、

詳細なことはわからないというが

当たるかもしれない。

しかし、今後現代史家がこれを究明し、

真実を質すことを期待する。

諸史を通じて言えることの

二、三を挙げてみよう。

(1)天正七己卯年(1579)

八月晦日(陰暦)、

佐鳴湖富塚村小籔(御前谷)で

家康公の家臣の手にかかり

悲劇的な最後をとげなされたこと。

(2)家康公は痛くその死を哀しまれて、

時の住持溈翁に命じて

寺の一隅に御遺骸を葬り、

ねんごろにその菩提を弔わしめたこと。

(3)佐鳴湖畔の神久呂村に菩提のため、

御茶湯料地弐十石領の

朱印状を付している等は

何を語っているかである。

(4)御前谷で主君の命とはいいながら、

築山殿の首級(シルシ)をあげた

中野三五郎重政は

悔恨の情で悶々と日を送り、

遂に水戸に走ったと伝えられている。

その後、重政は

入野村庄屋喜平治(家系現存・鈴木氏)に、

ねんごろな廟前への代参、その他を託したりし、

五十年毎の大法要には

廟前に燈籠一基ずつを奉献して

現に二基存し、

二基は地輪のみ保存している。

(5)壹百回忌には四代将軍から

御寄附田廿町(遠江国風土記伝)と

公儀料の厚かったこと。

築山殿のえん罪を拂拭した、

かの太刀洗の池の奇瑞は、

さきの西来院殿政岩秀貞大姉

(一説に来を光とする)を

清池院殿譚月秋天大禅定法尼と

改めて諡したとし、

又諸史に清池院殿と号している。」

有り難いですね・・・

これほどの案内があるとは!

そして最後に、戦災で焼失した

築山殿月窟廟再興が、

一婦人が墓前に詣で、

再興の決意をなされ、

匿名を条件に

巨額の浄財を寄付されたことが

記されています。

この後、

お墓が何処なのかがわからずにいたら

妻が一言、

「こっちじゃないの?」

そうか・・・と思いながら、

「老いては妻に従え」?

の格言通りに行ってみると

ありました!お墓が。

エントランス。

「築山御前 月窟廟」の標柱。

案内。

廟へ。

本堂前に書かれていた

「五十年毎の大法要には

廟前に燈籠一基ずつを奉献」

この燈籠も見えています。

廟内へ。

扉が開いているので、

ウェルカムと判断。

破損した墓石は

コンクリで周囲を覆い、

大切に保存されています。

参拝。

築山御前さん、

あなたの尊い命のお陰で、

平和な江戸時代が

実現出来ました・・・

そして、

それは現代に繋がっています。

ありがとう・・・

最後にツーショットにて参拝は完了です。

 

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