馬高縄文館(新潟県長岡市)中編

 

石棒(せきぼう)

「土偶と石棒ー縄文の精神文化ー」。

これが馬高うまたか縄文館を訪問した時期、

たまたま開催されていた特別展です。

「展示解説リーフレット」(表側)

以下、紹介文を抜粋します。

「縄文時代には、実用品でなく

精神性に関わるもの、

「第二の道具」と呼ばれる土偶や石棒が

つくられていました。

特に火炎土器の時代には、

特徴的な「河童形土偶」や彫刻を施した

大型石棒が登場します。

縄文時代の後・晩期になると、

周辺地方の影響を受けた、

多様な土偶や、精巧な石棒が

つくられるようになりました。

これらは観念的な次元でつくられ、

実用的な用途がわからない、

機能が明らかでない形態で、

縄文人たちの

信仰・祭祀・儀礼・呪術などと

深く関わっているようです。」

「展示解説リーフレット」(中側)

写真を使って、縄文の各時代における

土偶と石棒の解説が書かれています。

教科書でも習った「土偶」は、

それなりに知っていましたが、

「石棒」というもの、

は完全に「初体験」です(笑)

「精神文化」と言えば高尚ですが、

5千年の時を超えても、

人間の「気になるモノ」は

結局、同じなんだな〜と

大いに楽しませていただきました。

展示

火焔土器でドキドキした僕たちは、

次なる特別展示へと進みます。

総合的な案内パネル。

やはり注目は「石棒」なので、

フューチャーします(笑)

以下、案内です。

「石棒とは「縄文時代の遺物のひとつ

中期以降、後期、晩期にある。

長い円棒の一端または両端に

ふくらみをつけた磨製の石器」で、

「綺麗的・宗教的な用途」(「広辞苑」)

が考えられています。

男根を模した形状から、

古来より珍奇なものとして

関心が寄せられてきました。

縄文時代中期の石棒は

大形石棒を基本とし、

先端部に段や文様を彫り込んだ

「彫刻石棒」が特徴的です。

後・晩期になると細身となり、

刃をつけた形状の

「石刀」「石剣」の類もつくられました。

また、「石冠」や「独鈷石どっこいし」など

特異な形状の石製品もみられます。」

独鈷石の「独鈷」は、

弘法大師が持っている密教法具で、

人の煩悩を断ち切ると言われる

三鈷さんこ」の一本版の「独鈷とっこ」の事でしょう。

もしかして、

弘法大師さんも縄文人からの

「オチ○チ○」の

精神性を引き継いでいたのかも?(笑)

展示品。

縄文時代中期初頭〜中葉の土偶と石棒。

ここからは比較的大きな石棒も登場。

上越市での石棒出土状況。

阿賀野市の土偶出土状況。

石棒のアップ。

縄文人も現代人も

考えることは同じか・・・

長岡の土偶と石棒。

ここまで来ると、

もはや目に入るのは石棒ばかり(笑)

以下、案内の抜粋です。

「長岡市では、馬高遺跡のほか、

岩野原遺跡、中道遺跡、栃倉遺跡など、

規模の大きな集落跡で土偶や石棒が

多数発見されています。

ここでは中道遺跡から出土した

関連資料を中心に展示しました。」

石棒は多種多様・・・

そして、

遂に出会ったのが石棒の王様です!

縄文時代中期中葉〜後葉の土偶と石棒。

巨大な石棒は

土偶が霞んでしまうほどの

インパクトです(笑)

縄文人の石棒に対する

思い入れ、

実に素晴らしいではないですか!

お米で有名な魚沼市でも

大形石棒が見つかっています。

写真は、糸魚川市で発見された

県内最大級の大きさの石棒。

その石棒がこちらです。

左端のものですが、

右端の石棒も最大級と言えそうですね。

大きさの比較写真で妻登場。

長さは1m以上かな?

これはもう忘れられんですよ(笑)

縄文時代後・晩期の土偶と石棒。

こちらは今までのタイプと同じ感じですが、

ここにはめっちゃ洗練された石棒もあります。

黒光りしているし、

形は独鈷みたいだし、

まさに匠の技です。

このまま弘法大師さんが持っても

十分に力は発揮出来そうですよ!

何とか土偶も撮影しようとしたら、

石棒が主体になっていました(汗)

石棒と石製品。

右側のアワビのような石、

めっちゃ気になる〜(笑)

案内を書き出すと以下になります。

「縄文時代中期には、

外縁に彫刻を施した石皿も見られます。

その文様には、

大形の彫刻石棒と共通したものもあり、

儀器として使われていたのかもしれません。

ここでは、中魚沼郡津南町の屋敷の

平遺跡から発見された

彫刻石皿を展示しました。」

アワビとは書かれていませんね(笑)

特別展での石棒との出会いは、

あまり知らない(興味がない)

縄文文化をグッと手繰り寄せてくれた

超貴重な経験として、

永遠に僕の記憶に残るでしょう・・・。

(続く)

 

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