牛嶋天満宮(佐賀県佐賀市)後編

 

巨木の社(おやしろ)

牛嶋天満宮の魅力は、

人間の技術の粋を集めた

肥前鳥居、石橋、狛犬などの

古い構造物は、無論の事、

大いに心を揺さぶられたのは、

悠久の歴史を感じさせる

クスノキの巨木たちです。

佐賀の神社で、クスノキの巨木は

珍しくないとは言え、

やはりここには特別な「木の気」を

感じさせる素晴らしい

気(木?)の流れがあるようです。

御神木たち

牛嶋天満宮の御社殿を中心に

周囲には何本ものクスノキが立っています。

社頭右側のクスノキ。

拝殿向かって右横の

かなり大きなクスノキ。

本殿裏のクスノキ。

そして、こちらが、

クスノキの親分(笑)とも言える巨木です。

拝殿から振り返って見ると

楼門の右側にそびえ立っています。

楼門の反対側、境内入口側から見ると、

水面に着かんばかりに横ばいになった

太い幹に目が奪われます。

実は、この幹は空洞になっていて、

誰もが奥の祠に参拝出来るという

驚きの幹なのです!

その大きなクスノキの前には

千年大樟の幟が立てられ、

それにプラス、

この木に向かった専用の参道までが

造られていて、このクスノキがいかに

特別なものなのかが、伺い知れます。

参道の先は、クスノキの根っこに開いた

祠へのエントランスとなっています。

クスノキの案内。

幟は「樟」、案内は「楠」の漢字を

使っていますが、ここでは全部

「クスノキ」と書きます。

それにしても「クスノキ」の事を書く時、

この二種類の漢字にいつも翻弄(笑)

されてしまうな~(汗)

この姿、まさに神様!

根っこ部分だけを見ると、

既に枯死してしまったようにも

見えるのですが、枝葉を見ると、

樹勢はまるで青年期の様相なのが、

「神様」の真骨頂とも言えます。

畏れ多いとは思いつつ、

一礼し、ここから這いつくばって

幹の中に入るのですが、

ここでふっと僕の頭をよぎったのが、

この姿でした。

以前訪問した

鞍手石炭資料館で出会った、

炭坑婦の姿です(笑)

こんな感じなのかと思いながら

クスノキの穴の中へ・・・

炭坑婦の気持ちの1%位を感じつつ

奥へと進むとすぐに

少し広い空間になっています。

そして、クスノキの胎内奥には、

石祠が鎮座していて、

周囲の幹のダイナミックな模様と

後ろから差し込む太陽光で、

神々しさは最高潮!

また、外は真夏の暑さなのに

クスノキの内部は少し涼しく、

なんだか守られている感がひしひし

伝わって来るから不思議です。

妻が参拝。

向きが違うのはご愛嬌(笑)

参拝後、石祠に近寄ると、

穴の先には木の上の葉っぱが

見えていて、

ここから見る外界が、また

素晴らしいのです。

幹の中アップ。

このうねりがたまらん!

幹の出入口から、拝殿を臨む。

妻出現(笑)

これで、無事、御神木の参拝は完了。

数百年生きてきたクスノキに

空洞が出来ているのは、

珍しくないことですし、

空洞内に入っての

参拝が出来る御神木も

高知県、須賀神社境内の「大谷の樟」

先日参拝した和歌山県の

熊野那智大社の「那智のクス」など

いくつかありますが、

牛島神社の「千年大樟」のように

幹自体が真横になり、

しかも腹ばい(これが良い!)で入って、

空洞の中で参拝出来る御神木は、

かなり貴重なものでしょう。

この霊験あらたかたな千年大樟が、

千年先もここにそびえ続けるよう

心から願って止みません・・・

今日の発見

福岡の太宰府天満宮と同じく

ここ牛嶋天満宮にも

「飛梅」があるのを発見。

案内には、

肥前蓮池藩士 古賀源太輔が

文久三年(1863年)

太宰府天満宮から飛梅の分芽を

譲り受け、その子孫が昭和15年に

献納したものと書かれています。

確かに樹齢は150年を

超えているように見えますので、

これもやはりご神木と言って良さそうです。

 

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