鏡田屋敷(福岡県うきは市)
開花時期は人それぞれ
地図や地理には全く疎く、
「方向音痴を絵に描いたような」
という例えがふさわしい妻でしたが、
最近は見知らぬ土地での
方向感覚には、目を見張るものがあります。
今回の鏡田屋敷訪問でも
その察知能力はいかんなく発揮され、
僕が自分で考えることもなく
目的地まで導いてくれました。
還暦だというのに、
成長はするのです(笑)
人間、いつ才能が開花するかは
誰にも分からないものですね。
以前は車で道に迷ってしまい
泣きながら(笑)電話をしてきた妻が、
こんなになるなんて、
ホント、夢にも思いませんでしたから。
白壁の街並み
うきは市、というか
その中の吉井町には
白壁の町並みがあります。
鏡田屋敷とは反対方向ですが、
こじんまりした街なので、
遠回りというよりは散策として、
楽しむことができました。
国道210号線沿いの、
メインストリート。
「町並み交流館」
昭和3年建築の商家跡で、
300年以上も続く
松源商店という老舗乾物屋だったと
案内には書かれています。
この後、メインストリートから
裏通りを抜けて目的地の
鏡田屋敷に向かったのですが、
途中で見たのが、
こんな白壁の町並みです。
手前は美容室です。
和風の看板が無ければ、
それとは全く分からないでしょう。
ここならチョンマゲも
結ってくれそうです(笑)
条例があるのか否かはわかりませんが、
少なくとも僕たちのような旅人を
楽しませてくれるのは間違いありません。
そう言えば、こんな美容室に奈良県でも
お目にかかったな~っと思い出しました。
その美容室はこちら。
五條市の発展に大貢献した
松倉重政を顕彰する
訪問した時の町並みの一角です。
各地で日本の良さを残すため
美容師の皆さん頑張っていますね!
鏡田屋敷
江戸時代初期に作られた
用水路である南新川沿いに
鏡田屋敷はあります。
遠景。
近影。
家の前。
入場口。
江戸時代に建てられ、
その後明治になり増築されたもので、
吉井町の郵便局長を務めた
佐藤家の住居だと案内されています。
玄関。
土間には色んなパンフレットが
整然と置かれています。
そんな中、壁にふっと目をやると
こんなものが。
高齢者川柳。
昨年、佐賀市で見て以来、
このユーモア満載の川柳には、
ハマっています(笑)
神棚のある部屋。
吹き抜けになっています。
案内してくれた方の話によると
奥の部屋は段差がつけられて、
偉い人が座る場所だそうです。
身分制度が厳しかったころの名残ですね。
床の間。
この障子がスグレモノ・・・
何と取り外しが可能なのです。
奥行きが凄い。
縁側。
高級な素材だと
案内のお姉さまは言われていました。
確かに良さげです(笑)
鏡はうねっていて、
明治時代の古いものです。
割ってしまうと、現代では
同じものは無いそうなので、
ちょっとドキドキですね。
秋の庭は紅葉が美しいそう。
五人の庄屋が命を張って藩主に嘆願し、
鏡田屋敷前の南新川を作った時の話。
1664年に完成というから
今から350年も前の事です。
偉業は校歌にもなっています。
子どもたちに伝えていく事、
そして、郷土に愛着と誇りを持たせる
こんな校歌は、素晴らしいと思います。
言葉は言霊ですから
きっとこれを歌った小学生たちは、
大人になり、遠くに暮らしていても故郷を
強く思い続けることでしょう。
当時の書類も保管されています。
資料室隣の部屋。
ここで気になるものを発見。
それは右端の金庫です・・・
逆さまに置いてありますね!
いったい何の意図があって
こんな置き方にしたのでしょう?
謎は深まるばかりです。
二階
逆さまの金庫が気になりながらも(笑)
二階へと進みます。
戦いの場でもないのに
まるで、現存天守の階段と
同じくらいの急傾斜ですね。
天井裏には竹が張ってあります。
春から秋までの稲作の四季を描いた
江戸時代の屏風。
ここからは耳納連山が見渡せます。
今は手前に建物が多くあるので、
抜けるような光景とまでは行きませんが、
明治時代には、熊本県小国町の
北里柴三郎記念館で見たような
景色が広がっていたはずです。
その景色とは・・・
北里柴三郎記念館敷地内、
貴賓館からの景色。
二階の開放された角部屋からの景観は、
なにか、日本人の感性というのか、
細胞レベルで(笑)
美しさを感じる何かが
備わっているのかも知れません。
またもや脱線してしまいましたが、
話は、鏡田屋敷に戻ります。
御触書。
確かに欄干は、僕の身長に対し、
ほぼ転落防止にはなっていませんね。
今いる二階の外観。
そして、また二階へ(笑)
床の間。
案内のお姉さまによると
この横柱は、貴重な柿の木だそうです。
こちらも同じく柿との案内があり
撮影してみました。
瓢箪に盃・・手が込んだ装飾ですね!
風呂
一階の風呂場。
入口。
桶で行水的な入り方をしたと
お姉さまはおっしゃっていました。
土間
玄関すぐ横には、
土間が広がっています。
昔親戚の家にあったな~こんな土間。
竈など。
水車を利用した火鉢。
冷蔵庫。
ハエ取り・・だったかな?
お姉さんの話を忘れたかも(汗)
横を流れる小川で
水仕事をしていたそう。
井戸もあります。
外観と石橋
外に出てみました。
裏からの外観。
石橋。
こちらも石橋。
やはりツーショットはここ。
これで、鏡田屋敷の散策は完了です。
今日の優しさ
案内によると
この竈は普通のものとは違うそうです。
薪を入れる位置を高くしてあります。
理由は、奥様の足が悪く、
しゃがみこんでの炊事は大変だからと
ご主人が考えたそうです。
明治時代(多分)の男性も
なかなかやるじゃん!(笑)